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ポイント引当金の会計処理
近年、企業の販売促進活動の一環として、商品販売時に顧客に対して販売代金の一定割合のポイントを付与する制度を設けている場合があります。外食産業を含む小売業、通信業、航空業や鉄道業などの運輸業、金融業などにおいて多く導入されていますね。スーパーで、コンビニで、薬局で、駅でなどなど、消費者としてポイントを集めておられる方々も多くいらっしゃると思います。
今回はこのようなポイント制度について、ポイントを発行する企業側の一般的な会計処理をご紹介します。
≪一般的な会計処理≫
①ポイント付与時
会計処理なし。
②ポイント使用時
販売価額が減額されるため、ポイント使用部分を費用として処理する。ポイントの性質をどのように捉えるかによって、下記の2通りの費用処理方法が考えられる。
A)ポイントが現金値引と同様の効果を有すると考えられるため、売上値引として処理する方法
B)ポイントの付与は将来の販売促進効果を有すると考えられるため、費用(販売促進費など)として処理する方法
③決算時
付与されたポイントのうち、期末におけるポイントの未使用残高については、以下の4要件(企業会計原則注解18)を満たすと考えられる場合において、将来使用されると見込まれる額を引当金(負債)として計上する。
A)将来の特定の費用又は損失であること
B)その発生が当期以前の事象に起因するものであること
C)発生の可能性が高いこと
D)その金額を合理的に見積もることができること
≪具体例≫
【設例】
・10,000円の商品を販売し、100ポイントを付与する。
・期中に1,000円の商品を販売し、30ポイントが使用され、残額は現金で受け取った。
・期末時点おいて、過去の実績率等により将来の使用見込みを見積もった結果、未使用残70ポイントのうち50ポイントが翌期以降に使用されると見込まれた。
①ポイント付与時
会計処理なし
②ポイント使用時
(借方) 現金 970 / (貸方) 売上高 1,000
売上値引 or 販売促進費 30
③決算時
(借方) ポイント引当金繰入額(費用) 50 / (貸方) ポイント引当金(負債) 50