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国際会計基準100社超へ(2年で4倍、海外M&A円滑に)

2015.03.15

以下、日本経済新聞電子版(2015/3/4)より。

 

 国際会計基準(IFRS)を採用する企業が急増している。JXホールディングスや日本電産など主要企業が相次ぎ検討に着手。2013年末に25社だった採用企業(予定を含む)は今年2月時点で85社に増えた。年内にも100社を超す見通しで、主要企業の標準になる可能性が出てきた。日本企業は潤沢な手元資金を使って海外企業の買収に動き始めている。会計基準も世界標準に合わせ、グローバルな事業展開を円滑に進める。

 

 日本電産とJXは早ければ27年3月期から会計基準をIFRSに変える方針だ。上場子会社9社とともに切り替える日立製作所や東芝に加え、ホンダや飯田グループホールディングスなども移行の検討に着手した。国際基準を適用する企業の時価総額は全上場企業の約2割を占める見通しだ。

 会計基準は企業が財務諸表をつくる際のルールだ。国内では日本基準、米国会計基準、国際標準であるIFRSの3つから選ぶ。国内の上場企業の9割以上は日本基準を使っており、米国基準はトヨタ自動車やソニーなどが採用する。IFRSは10年から企業が任意で使えるようになり、三井物産やソフトバンクなどが移行した。

 

 ここにきて採用企業が増えている背景には、日本企業によるグローバルなM&A(合併・買収)の動きが活発になっていることがある。日立はイタリアのフィンメカニカから鉄道車両・信号事業を約2,600億円で買収し、社会インフラ事業で世界展開を加速する。日本電産は相次ぐ買収をテコに事業規模を拡大している。

 日本基準では買収額から企業の資産価値を差し引いた「のれん代」を毎期、費用として計上しなくてはならないが、国際会計基準では買収した企業の資産価値が大きく下がったときだけ「のれん代」を損失として計上すればよい。M&Aを積極展開する企業にとっては毎期の費用計上が不要になる分、利益が目減りしにくくなる面がある。

 

 金融庁は過去に15年から国際基準を強制適用することを検討したが、東日本大震災の影響で強制適用を延期した。元金融庁長官でIFRS財団の佐藤隆文評議員は「採用企業が増えれば強制適用の議論にも影響する」と話す。

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